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相続登記に関する費用

更新日:11月8日

「相続登記をお願いした場合、費用はいくらかかりますか?」


 このような問い合わせはよくあります。

 相続登記をご自身でやってみようか、それとも司法書士にお願いしようかを検討する際、それにかかる費用が分からないと検討しようがないですよね。ただ、相続登記にいくらかかるかは各案件により千差万別ですので、ある程度の情報や資料がないと、相続登記にいくらかかるのか、その費用をご案内することは、正直なところ非常に難しいことなのです。


 今回は、相続登記にはどのような費用が掛かるのかをまとめてみたいと思います。




相続登記にかかる費用

◆登録免許税

 登記の手数料のようなイメージで、国に納める税金です。基本的には、高額な不動産ほど納める額も高くなります。

 登録免許税は固定資産税評価額を基準として、物件価格の千円未満を切り捨て、1000分の4を乗じて算出します。

 固定資産税評価額は、毎年春先から初夏にかけて不動産の所有者に郵送で届く「固定資産税納税通知書」に添付された課税明細書で確認することができます。

 被相続人の単独所有の場合は、当該価格をそのまま基準とすればよいのですが、共有の場合は、その持分割合を考慮する必要があります。

 また、固定資産税非課税の土地であっても、登録免許税はかかります。固定資産税が非課税ですと、納税通知書には記載されていない場合もありますので注意が必要です。


◆戸籍等の証明書の手数料

 相続登記をするためには、被相続人や相続人の戸籍や住民票といった証明書が必要となります。

 遺言の有無や相続関係により、取得すべき戸籍等は異なります。そして、請求する役所により、手数料は若干異なりますが、1通につき数百円程度の手数料がかかります。

 遺言がない場合は、被相続人に関しては住民票の除票と出生から死亡までの連続した戸籍が必要となります。

 現在は、戸籍の広域交付という制度が始まっていますので、一定の相続人にとっては、役所が開いている時間に来庁することができれば、戸籍の収集は比較的容易な手続となりましたが、戸籍等証明書の数量によっては、それなりの手数料がかかってきます。

 「相続手続における戸籍収集」はこちら


◆登記情報・登記事項証明書

 登記をする前に登記事項やその状況を把握するため、PC端末等から登記情報(データ)を取得するか、法務局で登記事項証明書を取得します。

 登記の状況によっては、相続登記以外にも申請すべき登記が存在することもありますし、登記名義人が被相続人である父親だと思っていたら、ずいぶん前に亡くなった祖父が名義人だった(いわゆる数次相続が生じていた場合など)、というようなこともあり得ますので、事前調査は必須です。

 登記事項だけでなく、場合によっては公図(法務局に備え付けの地図の一種)等を確認する必要もあります。

 登記情報であれば、1通331円(公図等図面情報は1通361円/いずれも令和6年11月現在)、登記事項証明書であれば1通600円(法務局で申請して取得する場合)かかります。

 これらの証明書は、登記完了後も確認のため取得することになります。


◆その他、別途の手続が必要な場合の費用

 相続登記をするために、家庭裁判所の関与を必要とする別途の手続が必要となる場合があります。

 遺言がなく、相続人が複数の場合は、遺産分割協議が必要になることがあります。

 法定相続人の中に、未成年者や認知症の方など、法律上の意思表示が難しい、できない方がいらっしゃると、そのままでは遺産分割協議自体ができませんので、家庭裁判所に必要事項の申立てをする必要があります。その場合も手続ごとに定められた手数料が必要となります。

 また、相続人に海外居住者や外国籍の方がいらっしゃると、当該相続人の手続負担も増え、別途費用も要することになります。


◆司法書士の報酬、費用等

 上述した登記申請、書類作成、証明書請求等、各手続や作業に、それぞれ司法書士の報酬や通信費や交通費等の費用が掛かります。 

 戸籍をご自身で取得されれば、その分の手数料や費用・報酬はかかりませんが、ご自身が作成した遺産分割協議書などは、内容を確認・精査する費用が掛かる場合があります。

 また登記申請に係る報酬については、物件の数量や評価額、単有か否か等により変わりますので、ザックリとはいえ一律にパッと出すことは難しいと思います。

 相続登記を申請する際に、もともと持分を有している方の氏名・住所などの表示変更や、抵当権の抹消・変更を一緒に行う場合もあり、その際には、それらの登記申請の登録免許税・費用・報酬が必要となります。


登記費用の算出には資料が必要

 以上、必要な手続きやそれに伴う費用を例示してきましたが、これ以外にも必要な費用を生ずる様々なケースが考えられます。

 このように、登記費用を算出するには、詳細事項を確認する必要があり、ある程度進めてみないとどんな手続きや書類が必要なのかも判明しないということもありますので、「相続登記の費用は?」という問いに即座に応えることは至難の業です。


 資料や情報が一切ない段階で相続登記の費用を問われても、「この辺りの不動産で土地建物一つずつのご自宅のみの相続であれば、司法書士の費用・報酬としては(登録免許税は除き)、概ね8万円から20万円の間に収まるのが一般的かと思われます。」くらいのご案内は出来たとしても、参考程度にとどまるかと思われます。

 なお、「一律●●万円」と設定しているサービスや事務所もあり、そのような価格設定は分かりやすいとは思いますが、場合分けによる追加料金の有無をあらかじめ確認し、また、そもそも一律料金というのは仕事のボリュームの違いによる金額の妥当性に齟齬が生じ得る、ということを納得した上でご利用された方がよろしいかと思います。


 大雑把な金額でも登録免許税を含む相続登記の費用を知りたい場合は、最低でも、登記事項証明書、固定資産税評価証明書、相続関係等の情報は必要となるでしょうし、その場合も、正確な金額が必ずしもその場で出せるというわけではない、ということをご理解いただければと思います。


ご相談は、司法書士・行政書士ゆかり事務所へ

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